美術

谷内六郎の軌跡

割と古典的な芸術色が強い松坂屋の美術展にしては珍しくやや漫画ちっくな谷内さんの展覧会があった。

実を言うとこの開催自体を知らず、なおかつチケットも人からもらって最終日に行くという始末なのでさほど興味があったとはいえない。
が、チケットみた瞬間、「あっ、週刊新潮」って思った。
実は週刊新潮、そしてその表紙絵の氏の作っていうのはあまりいい印象がない。

というのは、幼少の頃、何年も耳鼻科に通院しており、たいくつな待合室においてあったのが週刊新潮で、ましてや子供がそんな雑誌読めるわけもなく、ただ暇つぶしに表紙を眺めていただけだった。

その後、待ち受けている診察時の「あーんして」とかいって喉ぐりぐりされたり、鼻水を吸引されて痛かったり、さらに全然関係ないけど隣でぶっとい注射されとる(しかも血が逆流している)おっさん見てたらすごい痛そうでいやだった。
つまり私にとって週刊新潮は耳鼻科と谷内さんにつながるわけだ。

しかし、今日の展覧会で子供のいきいきとした様子を描写する絵、特に夏のあっつい空の絵を見るとなんか今までのもやもやが晴れたような気分になった。

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終戦後、高度経済成長期を経て平成に至るまでの生き証人として絵という形で残してくれた谷内さん。
戦争には負けたけど、心までは失わなかった日本人の強さを感じた。

残念だが昨今のニュースを見聞きしていると今の日本はどこにいくのか。
これが「美しい国」なのか。

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